自分の自給を考えてみよう
時間給には人件費の他に諸経費も計上される。
自分の時間給はいくらぐらいなのか。
計算してみると意外に高いはずだ。
●時間給に見合う働きをしているか
研修の参加者に「あなたの時間給はいくらか」と尋ねると、多くの人が困った顔をする。
自分の時間給について考えていない人が大半のようだ。
よく「派遣社員の給料は高い」と言われる。
しかし実際は、社会保険や賞与、交通費が保証されない派遣社員の時給は、正社員よりも確実に少ない。
しかも派遣社員はその仕事のプロフェッショナルである。
正社員であるあなたは、派遣社員に勝っていると自信をもって言えるだろうか。
―――<試算>Aさん<月給25万円>の時給―――
1時間あたりの月給 250,000円÷173.75 =1,439円
1時間あたりの賞与 58,333円÷173.75 = 335円
1時間あたりの退職金 250,000円÷12ヵ月÷173.75 = 120 円
(小計1,894円)
社会保険料 250,000円×20%÷173.75= 288円
通勤交通費 15,000円÷173.75= 86円
その他福利厚生費など 10,000円÷173.75= 58円
合計 2,326円
●時間給は月給の0.9%
下に月給25万円のAさんの時間給を大まかに計算してみた。
結果、Aさんの時間給は月給の0.9%だと考えることができる。
あなたも「月給×0.009」で時間給を計算してみよう。
さらに会社の経費のうち、約半分が人件費である。
その他の経費を合わせれば、人件費の倍の経費がかかっていることになる。
Aさんの場合、1時間あたりどれくらいのコストが発生しているのか、
またその金額に見合った働きを自分はしているのかを、今一度見直してみることだ。
年間総労働時間2085時間÷12ヵ月
=1ヶ月の総労働時間173.75
年間の賞与を700,000円とすると
1カ月あたり58,333円
1年間で給料1か月分を積みたてていると仮定
会社が負担する金額を月給に対して20%と仮定
1カ月交通費=15,000円
1カ月=10,000円
2,326円÷250,000円=0.009
つまり 月給×0.009=あなたの時給
売上はひとりで上げられない
目に見える粗利益だけで会社の儲けを考えてはいけない。
営業マンの場合、間接部門のスタッフの分まで稼いで一人前だ。
●営業の数字は他部門に支えられている
「毎月、粗利益で100万円は稼いでいるのだから、せめて半分の50万ぐらい給料をもらってもいいはずだ」と考える営業マンがいる。
こういう社員は売上の数字を自分ひとりの手柄と思っている。
しかしこれは大きな勘違いだ。
あなたが契約にこぎつけるまでに、どれだけの人の労力が費やされてきたか。
少しでも安く買うために努力する仕入れ担当者。
顧客データを管理する業務管理部門。
お金の精算に携わる経理。
配送の担当者。
売れるまでにはこうした他部門の人件費、経費もかかっているのだ。
●間接部門までカバーしているか
「従業員1人当たりの売上高」は会社全体の販売効率を見る代表的比率だ。
従業員1人当たりの売上高=売上高÷従業員数
つまり全社員中、営業部員の数が半分を占める会社であれば、下表の数値の2倍、全社員中3分の1が営業部員なら3倍が目安になる。
ただし、これは最低限の数字。
図の業界標準値を見て、あなたが本来達成すべき数字を再認識してほしい。
どんな業種の営業マンも、間接部門の分までカバーできてこそ利益に貢献しているといえる。
従業員1人あたり月間売上高 | 従業員1人あたり月間粗利益 | |
製造業 | 160万〜220万 | 80万〜120万 |
卸売業 | 400万〜600万 | 80万〜120万 |
小売業 | 160万〜230万 | 60万〜80万 |