2.人材育成業務
人材育成・社員教育
1.人材育成・社員教育の基本的考え方
社員教育・人材育成といわれ続けて久しい。 「企業は人なり」ともいい、「ひと」のテーマは画一的でなく、企業により多種多様な面を持ちます。確かに、人材育成のあり方も変化してきています。「協調から個性へ」「前例から創造的破壊へ」価値の多様化は、企業にも個人にも広がっています。
特に社員一人ひとりの価値感が多様化する中で、また、企業の社会的価値が求められる中で、どのようにして社員教育を進めていくかということは、教育のあり方を一層複雑にしています。
それを解くキーワードは「企業が求める人材レベル(能力)」の明確化にあるといえます。
どのような人材がほしいのか、どのような能力が必要か。それは現在なのか、将来なのか、よく見極めることが求められます。
この「企業が求める人材レベル(能力)の明確化」なくして、人材育成はないといってもよいでしょう。
教育訓練とは、個人が生きていくため、より充実した人生を送るために必要な「無形の財産」とも言うべき知識や技術、そして意識を身につけさせるためのものです。
社員教育当事者には、たえず人間への洞察を深め、自分も受講者と一緒に学び、態度変容を図っていこうという姿勢が望まれるのです。
実社会において1+1=2 を解くことは少ない。□+□=2 といった問題を提起する能力が重要です。この問題を自ら設定し、解答していくプロセスが、求められる能力の大きなウエイトを占めます。
「いま求められている能力」とは
同じ会社の社員という緩やかな共通項はあっても、世代、年齢、性別、過去の人生経験、家庭環境、性格、ものの考え方、価値観から能力的な面まで、さまざまに異なる――まったく同じ人間など一人もいないはず―― 人たちに何をどう教育すればよいのか、迷うのは当たり前のことです。社員教育は環境の変化をどう受けとめ、どういうビジョンに基づいて社員教育を展開していけばよいのでしょうか。
この点に関し弊社がいちばん大切だと思うのは、本末転倒しないことです。社員教育の構造面でも、現象面、変化の面でも“本”(根本、本質)と“末”(枝葉)とがあります。
変化に鈍感なのは困りますが、かといって目先の枝葉末節な問題に振り回されるのもいけません。あくまで本と末を見極め、誤った判断をしないように心掛けたいものです。
ではいま、社員教育において押さえるべき“本”とは何でしょうか。いいかえれば、社員教育の目的は社員の能力開発ですが、いまビジネスマンが開発することを求められている能力とは何でしょうか。
弊社が考える能力の切り口は次の三点です。
@高度問題解決能力
A高度マネジメント能力
B創造性
「第一は、高度問題解決能力」
実際に実務を遂行処理する能力であり、専門能力を中心に情報力・分析力・企画力・計画性・交渉力・実行力などから形成されます。
それぞれの能力およびトータルの問題解決能力のいずれも、従来に比べてはるかに要求レベルが高くなっています。
それだけ、単純計算では解けないむずかしい問題が増えているわけです。
「第二は、高度マネジメント能力」
これはさらに、@高度テクニカル・スキル A高度ヒューマン・スキル B高度コンセプチュアル・スキル の三つからなります。
スキルとは、概念を自由に操作し、論理的に ――抽象的にも具体的にも―― 考えることの出来る能力をいいます。
高度テクニカル・スキルについていえば、情報化、技術の高度化に対応してコンピュータ知識、操作能力が不可欠になってきています。
語学力もテクニカル・スキルの一つに入れてよいでしょう。同様に、対人能力や思考能力においても従来にないハイレベルのセンス、能力が求められています。
見方をかえれば、ビジネスマンは、構想力・意思決定力・コミュニケーション能力・調整力・リーダーシップなどを高度化する必要があります。
「第三は、創造性」
これが一番ベースになる能力です。 そのため、能力ベースに創造性がなければ、高度問題解決能力も高度マネジメント能力も身につきません。
弊社は、@感受性(センシビリティ)、A柔軟性(フレキシビリティ)、B独自性(オリジナリティ)の三つを創造性の条件と考えています。
社員の創造性開発を計画・立案・実行を行う場合、あくまでもこの感受性・柔軟性・独自性の三つに焦点を当てることが必要なのです。
社員の創造性開発教育に力を入れる傾向が、今後ますます加速していくことは、まず間違いないでしょう。
社員教育における試行錯誤(トライ・アンド・エラー)の大切さを主張しておきます。試行錯誤は人間に与えられた強力な知恵です。
やってみて結果が思わしくなかったら、別のやり方を工夫し、試してみること。そうした柔軟性がハイでクリエイティブな社員教育を可能にするのです。
要するに、プラス思考・考える力をつけるまさに創造的破壊です。
社会における基本的な問題解決には、答えはひとつではないということ。さらには、答えそのものを自らが創造することが求められるということです。
例えば、こんなテーマはどうでしょう。
「りんご4個を3人で分けるときの分け方について考える。」
ひとつの答えは1人に1と1/3ずつがあります。それ以外は何があるでしょうか。
@残り1個をボランティアとして寄付する。
A残り1個をイチゴ3個にかえて分ける。
Bジュースにして飲む。
Cりんごの種を植えて、実がなったらそれを分ける。
等広がりを見せます。
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