日本型成果主義の構築
(トータル人事制度目標管理の導入)
1. 日本型成果主義の要件
(1) 能力主義を基本とする改革
日本型成果主義においては、能力主義を基本とした上で、成果主義の考え方も採り入れ、
これまで以上に各人の業績や貢献を重視する人事を推進することで、
社員の業績志向を高め、ハイレベルな能力を持つ優秀な社員の育成・確保を図り、
実績と実力にもとづく配置を通して、業績を挙げた社員により多く報いることを目指している。
社会や企業を支えているのは紛れもなく「人」であるから、人事においてもその基本は「人」を中心とした仕組みとすることが重要となる。
従業員1人ひとりが、高い意欲を持ち、新たな発想と創造性のもと、持てる能力をフルに発揮して、
目標や課題を確実に達成していくことが競争力の源泉である。
それは従業員各人の能力と意欲の高さで決まるともいえる。
各人が持てる能力を絶えず高め続け、仕事を通じて発揮することで高い成果が期待できる。
従業員1人ひとりの能力を積極的かつ継続的に高めていかなければ
能力は時代通用性を失い変化にも対応できず、
より良い仕事ができなくなり、長期的には企業の力は間違いなく低下していく。
人は自己主張、自己充足、自己実現意欲を持つ存在であるといえる。
労働生涯の全期間にわたって、人間としての成長と能力の発揮を通じた充実感の感得こそが、
人としての生きがいに通じるのである。
このような意味から、日本の風地に根づいた「人」を中心とした能力主義に基本を置きつつ、
成果主義の要素を組み込むことにより「人間の顔をした」日本型成果主義人事を進めていくことが、
今後の人事改新の方向といえる。
この能力主義人事の考え方を実現するものが職能資格制度である。
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